こんにちは、アキです。
今回は食品添加物についてお話したいと思います。
まず、食品添加物とはなにか?その定義を厚生労働省ホームページより引用させていただきます。
食品添加物は、保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるものです。
厚生労働省は、食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、使用を認めています。
また、使用が認められた食品添加物についても、国民一人当たりの摂取量を調査するなど、安全の確保に努めています。
厚生労働省HPより
私たちの食生活は、第二次世界大戦でアメリカに敗戦後、戦勝国であるアメリカの影響を大きく受けて、ずいぶんと多様化してきました。
「食品添加物」という言葉自体も、第二次世界大戦後から使われるようになりました。
日本では現在、原則として食品添加物は化学的合成品や天然添加物など製造方法の違いに係わらず、食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定した添加物でなければ、使用することができないとされています。
しかし、食品の輸入が増えることに伴って、諸外国と法律や制度が違うため、輸入食品から日本では使ってはいけない添加物が検出されることもあります。
私たちは食品添加物について、なぜ使われているのか、どのようなルールがあるのかといったことをきちんと理解したうえで、自ら、それらが使用されている食品を選ぶ、もしくは選ばない選択をしているんだという自覚を持つべきです。
食品衛生法による食品添加物の定義は1995年(平成7年)に改正され、現在に至っています。
平成7年に改正される以前は、食品添加物の指定制度は合成添加物についてのみ実施されており、天然添加物には指定制度がありませんでした。
それまでにも様々な天然添加物が使われており、新法の施行に伴い従来の天然添加物については長期に渡って使用実績があり、人の健康確保に問題があるなどの報告がされてないことから、これらには指定添加物を適用しないことを定め「既存添加物」として区別することとなりました。
個人的には厚生労働省のホームページ内にある、天然添加物と人工添加物を一括りにするのではなく、それぞれ別にまとめた方がいいのではないかと思っています。
消費者は専門家ではありません。
誰もが添加物一覧を見て理解できるよう、名称とその効果、そして少なからず影響があるであろう人体への害も備考として記載すべきだと思います。
食品添加物が本当に安心・安全であるなら、ややこしくする必要も誤魔化しているのではないだろうかと疑われてしまうような入り組んだことはせず、使用した添加物は加工助剤であろうが、キャリーオーバーであろうが、パッケージが小さかろうが全表記すべきだと思います。
厚生労働省HP参照
令和2年3月31日時点で指定添加物は465品目、指定添加物以外で使用可能なのは、既存添加物が令和2年2月26日時点で357品目 、それと天然香料が約600品目、一般飲食物添加物が約100品目があり、全てあわせると約1500種類の食品添加物が認可されています。
体に害がない天然香料を抜いても900種類です。
指定添加物は、石油製品などを原料に化学的に合成された合成添加物がほとんどで、天然由来のものも少しだけあります。
既存添加物は、長年使用されてきた天然由来の添加物で、植物や海藻、細菌、鉱物などから特定の成分を抽出したものです。
天然香料は自然界の植物や昆虫などから抽出された香り成分で、リストアップされているもの以外でも使用することができます。
このように、リストアップされていないものも使用できる点が、天然香料が指定添加物や既存添加物と大きく違うところです。
本来の意味で食品添加物といえるのは、指定添加物と既存添加物です。
米国の添加物の数は、 平成25年2月時点で約1600品目程度(香料を除く)であると考えています。
この品目数の中には、果汁や茶など日本では添加物に含まれないものや、日本では1品目として計上されている品目が、米国では、物質ごとに指定され数十品目となっているものが含まれています。
日本と諸外国ではこれまでの長年の食生活や制度の違いによって、添加物の定義や対象食品の範囲、さらには使用可能な量なども異なっていることから、単純に品目数だけで比較することは難しいのが現状です。
参照: 厚生労働省 2020年03月31日更新「食品添加物よくある質問(消費者向け)」
現在、コンビニやスーパーマーケットなどのお店では、あたりまえのように毎日大量の食品が溢れかえっており、多種多様な加工食品が広域流通することによって、私たちの食生活はより豊かになっているという考え方もあります。
これらの食品が全国的な規模で流通する背景には、製造や加工技術・運搬などの技術向上もありますが、それら食品の多くに食品添加物が使われていることは紛れもない事実です。
安心・安全がいい。
値段は安い方がいい。
安ければ安いほどいい。
見た目が綺麗な方がいい。
甘いのが食べたいけどカロリーが気になる。
自炊なんてしたくない。
すぐ腐ったら困る。
食べ物に虫が付いてるとか傷んでるなんてありえない。
食事に時間を使いたくない。
手軽に、気軽に食べたい。
これらは、私たちが望んできたことです。
いや、私はそんなこと頼んでない!と異論を唱えたところで、消費者の多くがそれらを望み、実際に選び、購入することによって食品添加物普及を支持してきたという事実は変わりません。
なんでそんな商品作るんだ!と企業を責めたてても、なにも変わりません。
繰り返しになりますが、なにを選択し生活に取り入れるかは消費者である私たち一人一人が日々自分で考え選んでいるのです。
このように私たちは、食品添加物の恩恵を受けており、今の日本社会で食品添加物を完全に排除して生活をしていくというのは相当難しいといえるでしょう。
と同時に、大きな損失もこうむっているのだということを自覚したうえで、それら食品添加物とどう関わっていくのかを、それぞれ選択すべきだと思います。
食品添加物には危険性が伴うため、実際に日本国内だけでなく諸外国でも添加物の使用に関して様々な取り決めがあります。
参照:2014年3月の株式会社三菱総合研究所「諸外国における食品添加物の規制などに関する調査報告」
食品添加物の主な役割
- 食品の製造や加工のために必要なもの
特定の食品の製造や加工の際になくてはならないもので、酵素、ろ過助剤、油脂溶出剤、消泡剤や酸・アルカリなどの加工助剤などが含まれます。
中華麺や豆腐、マーガリン、プリンなどの食品は凝固剤、膨張剤、かんすい、乳化剤、ゲル化剤などの添加物を使い形成や独特の食感を与えます。 - 食品の風味や外観を良くするためのもの
食品の色合いを良くする着色料・発色剤・漂白剤など、香りを付ける香料、味を良くする甘味料・調味料など、食感を良くする乳化剤・増粘安定剤などがあります。
スクロースやアセスルファムカリウムは清涼飲料水やお菓子に甘味料として使用され少量で甘いと感じさせることができます。
調味料や香料など、味と香りを向上させるために添加物が使用されるケースは非常に多いです。 - 食品の保存性を良くし食中毒を防止するもの
食品の酸化・変敗、微生物の繁殖による腐敗などを防止して、食品の保存性を高めるためのもの。
保存料や酸化防止剤の他に、殺菌料、防かび剤などがあります。 - 食品の栄養成分を強化するもの
食品に本来含まれる栄養成分や人に必要な栄養素を、補充・強化する目的で加えるもの。
ビタミン、ミネラル、アミノ酸などがあります。
食品添加物を使用する企業が多いのは、使用する企業にとってメリットがあるからです。
メリットとデメリットを天秤にかけた時、メリット優勢と判断した企業は使用するし、逆に、デメリット優勢と判断した企業は使用しないでしょう。
これは至極当然のことです。
日本で食品添加物として使用が認められているものは基本的に安全性と有効性を認められたもののみのはずですが、実際にはガン、脳腫瘍、白血病などの病気の原因やアレルギーを引き起こすなど、健康を害する原因となる疑いがあるとも言われています。
どの基準をもってして安心・安全というかは人ぞれぞれであり、一概には言えません。
腐りにくくて長持ちするから、食中毒の心配はないので安心というのも一つの安心です。そのためには食品添加物である保存料や防腐剤などが使われます。
食品添加物は食品パッケージの成分表に記載することが義務付けられています。
食品購入時には、この食品はどのような材料で作られているものなのか(原材料の確認)、添加物が使われているのか、使われていないのか、使われているのであればそれはどんな添加物なのかを意識してパッケージをチェックするように心がけていると、いつの間にか私たち家族のように、なにか食品を買う際には必ず、無意識レベルで原材料をチェックすることが習慣化されるでしょう。
厚生労働省が食品添加物認可前に行う各種安全性試験は、食品添加物を単品でのみ供試動物に投与するものであり、一般消費者が日々、複数の食品添加物を摂取している現状に鑑み、考えられる「複数の食品添加物同士による複合作用」は試験されていません。
例えば菓子パンひとつとってみても、その中にいくつもの食品添加物が使われています。
私たちは1品目の食品添加物だけを摂取しているのではなく、日々あらゆる食品添加物を複合的に摂取しています。
それなのに安全性試験で複合作用を試験しないまま、安全ですと言いきってしまう強引さに疑念を抱かざるを得ません。
加工食品の製造に使われた食品添加物は、全て表示することが原則とされていますが、その食品で効果を有さないようなものは、表示が免除されています。
それには、次のようなものがあります。
・加工助剤(加工食品を作るのに使われた食品添加物のうち、次の条件のいずれかに合うものが加工助剤とされます。
①最終的に食品として完成する前に、食品から除去されるもの
②食品中に通常存在する成分に変えられ、かつ、その成分の量が食品中に通常存在する量を有意に増加させないもの
③最終食品中に、ごくわずかなレベルでしか存在せず、その食品に影響を及ぼさないもの。
例として、亜塩素酸ナトリウム、アセトン、イオン交換樹脂、塩酸、過酸化水素、次亜塩素酸水、シュウ酸、臭素酸カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、二酸化ケイ素、ヘキサン、ポリビニルポリピロリドン、硫酸など。
ただし、除去又は中和という使用基準にかかわらず、水酸化カリウムは例外で、物質名で表示されます。
・キャリーオーバー( 食品の原材料の製造・加工で使用されたもので、その食品の製造には使用されない食品添加物で、最終食品まで持ち越された場合に、最終食品中では微量となって、食品添加物そのものの効果を示さない場合をキャリーオーバーといいます )に該当する食品添加物。
さらに、栄養強化の目的で使用した食品添加物も表示が免除されています。
食品には、製造者の連絡先など表示すべきことがいろいろと決められていますが、表示のスペースが限られた食品では、全てを記載することが困難な場合があります。
そこで、表示面積が小さい場合には、原材料の表示を省略することが認められています。
表示の可能な面積が30平方センチメートル以下の場合が、食品表示法における省略の基準に該当します。
私たち消費者1人1人の思考が、現在やこれからの未来の食のあり方を決定づけるんだという自覚をしっかりと持ち、素敵だなと思う企業やお店の商品を選択、購入することで、私はあなたを支持していますよというメッセージを伝える。
そんな人が増えれば増えるほど、志の高い企業やお店の経営も持続可能になり、結果的に私たち消費者にとってもありがたい状況となるわけです。
まさしくwin-winの関係です。
企業は生産、営利の目的で事業を経営しているので、いくら安心安全な商品を!という志の高い企業であっても消費者に支持されなければ倒産してしまいます。
逆にそんなことはこれっぽっちも考えることなく自社の利益重視の企業であっても、消費者がその企業の商品を購入することによって支持し続ける限り、その体制は変える必要がないので、決して変わることはないでしょう。
簡単で便利な生活もいいけれど、その代償として失っているものは確実にあります。
それが何なのか、本当にこのままでよいのか。
この辺りで立ち止まって、一度きちんと考えてみたいものですね。