こんにちは、アキです。
突然ですが、あなたは「食品ロス」や「フードロス」という言葉を耳にしたことはありますか?
「食品ロス」とは、本来食べられる食品を廃棄することで、「フードロス」と同じ意味です。
google検索によると、日本国内ではこれまで食品ロスと表現されることが圧倒的に多かったのですが、コロナ禍においてマスメディアでフードロスという言葉が使われる頻度が高まり、これまでより私たちがフードロスという言葉を耳にする機会は増えてきています。
食品ロスやフードロスの他に、「食品廃棄物」という言葉もあります。
可食部(仕入れた食材・食品、食材を加工・調理等してできた食品及び副次的に発生したもので食用にできるもののうち、最終的に人に食されることなく食品廃棄物等となってしまったもの)の廃棄のことを食品ロス、フードロスと呼ぶのに対し、食品廃棄物とは食品の可食部だけでなく非可食部(製造・加工・調理等の工程で副次的に発生したもので、食用にはできないもの)の廃棄も含みます。
食品ロスと食品廃棄物は同じように解釈しがちですが似て非なるものなんですね。
実生活で例えると、出汁に使った鰹節や昆布は食べられるものなので食品ロスまたはフードロス。
では、野菜の皮は?
無農薬無化学肥料(オーガニック)の野菜が食卓に上る我が家では野菜の皮も可食部ですが、一般的には非可食部に分類されるようです。
椎茸の軸や魚の皮や目玉、骨なんかも食べる食べないの定義は人それぞれなので、食品ロス・フードロスとはっきり断言できないような曖昧なものは食品廃棄物と表現した方がよさそうですね。
食品は英語でfoodなので食品ロスを直訳するとfoodlossになりますが、英語でfoodloss(フードロス)とはサプライヤーチェーンの中で生じる食品の廃棄のことであり、小売店や飲食店、消費者による廃棄はfoodwaste(フードウェスト)と表現します。
つまり、日本語で言うところの食品ロスorフードロスと英語でのfoodlossとは意味が異なるということ。
先にも触れましたが、そもそも可食部と非可食部の定義自体が受け取り手の判断に委ねられてる部分があるのもややこしい。
ややこしいのミルフィーユ
食品ロスについて表現したいときは、日本語では食品ロス、英語ではfoodloss and foodwasteと言うと覚えておくといいかと思います。
さて、食品ロスは発生する場面によって事業系食品ロスと家庭系食品ロスの2つに分けられます。
事業系食品ロスとは、食品製造業・食品卸売業・食品小売業・外食産業など、事業活動の場面で発生する食品ロスのことで、家庭系食品ロスとは、一般家庭で食料を取り扱う場面で発生する食品ロスのことです。
日本の食品ロス量は、平成29年度の推計値では事業系食品ロスが年間328万トン、家庭系食品ロスが284万トンの合計612万トンにもおよびます。
これは日本人1人当たりで試算すると、1日約132グラムの食品ロスを起こしていることになり、毎日お茶碗1杯分程度のご飯を捨てていることになります。
事業系食品ロスは年間328万トンあり、その内訳は外食産業127万トン・食品製造業121万トン・食品小売業64万トン・食品卸売業16万トンとなっています。 一方で、家庭系食品ロスが284万トンとなっています。これを多いとみるか、少ないとみるかは人によるでしょうが、私は多いとみています。
地球規模で見れば、現在、世界中の人々が十分に食べられる穀物が生産されています。しかし実際には、世界では約6億9000万人、11人に1人が飢餓に苦しんでいます。食料生産は世界中の一人ひとりが食べられる分の生産量を維持出来ているのにも関わらず3分の1が食品ロスで消えているという現状があります。まだ食べられるに廃棄されてしまった食料は実に2億人分にも上ります。
食料が利用されることなく廃棄されるということは、生産時に使用された水や飼料・食料輸送のエネルギーなども全て無駄になるということです。無駄に無駄を重ねるのは控えたいものです。
また、食料廃棄によって発生する二酸化炭素を含む温室効果ガス排出量は、世界の温室効果ガスの8%を占めており、日本は米国・中国に次いで3番目に多く、その結果として地球の生態系や気候変動などの地球環境に大きな影響を与えていることからも目を背けてはなりません。
食品ロスを減らすことは、食料の効率的な確保だけでなく、廃棄処理のために発生する温室効果ガスの削減による環境負担の軽減、経済面での生産性の向上にもプラスの効果をもたらします。
近年、日本においては食品ロスがおよぼす影響や問題点を重要なテーマとして取り上げ、 消費者庁や農林水産省、環境省など各省庁が推進に向け対策を進めています。 個人個人が食品ロスについての現状を把握し、問題点を見つけ、できることをできる範囲で少しずつでも改善していくことが食品ロスを軽減するうえで最も大切なことではないかと思います。